シイラの吸水卵観察と紫外線発光実験

 マンボウでは完全な成熟状態の卵の知見が無いので、吸水卵がどんなものかよく知りませんでした。
 たまたま、食鮮館タイヨーで売られていた「シイラの卵」を見た時に、透明な卵が混じっているのを見付けたので、これは吸水卵ではと思い、観察することにしました。
 

 外観から見ると、半透明なオレンジ色をしています。
 

しかし、ほぐして実体顕微鏡で見てみると・・・吸水卵はガラス玉のような透明で黄色い大きな油球が1つありました。
 

もう少し拡大。吸水卵以外は全体的に黄色みが強いですが、やや透明色です。
 

しかし、海水魚だからか、水の温度が少し高かったからか、水道水に入れてみると、透明感が少し失われ、白濁化してしまいました。
 

ふと思い立って100%エタノールに2時間ほど付けてみると、水分が抜け、組織が固定されて吸水卵も白濁化してしまいました。
 

 エタノール固定した吸水卵(上)と生の状態の吸水卵(下)の比較です。どうも固定後は黄色い油球の場所が透明に見えるようですね。
 

 で、ちょっと発見があったのが、生の状態ではUVライト(ブラックライトor紫外線)を当てても特に発光しなかったのですが、エタノール固定後にUVライトを当てると、いくつかの卵が青白く発光することがわかりました! これで生の卵かエタノール固定された卵かは識別可能です。ホルマリン固定したらどうなるのかは不明ですが、気になるところですね。
 

 UVライト照射実験はこちらの動画を見て下さい。



 2018年6月1日作成 


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