進化的で原始的な魚

 魚図鑑でマンボウ類を探すのなら、図鑑の後ろからページをめくっていった方がすぐにマンボウ類のページに辿り着くことができます。何故なら、魚図鑑は系統的に古い(原始的な)グループから進化的なグループに向かって順番に載せられているからです。ここではそんなマンボウ類の進化的なことについての話を紹介します。

Helfman et al.(2009)

 この本によると、「マンボウ科はすべての硬骨魚の中で最も進化的(派生的)なグループと考えられている」と記述されています。しかし、一方で「皮肉にも高く派生したグループは魚類進化の出発点(原始的)に戻る」とも書かれています。進化的なのに原始的? この理由は「マンボウ類は鰭を支持する部位や頭蓋骨の大部分が軟骨質。軟骨質の骨格を持つものはヌタウナギ類、ヤツメウナギ類、サメ、イレズミコンニャク類など原始的なグループであるからだ」と書かれています。魚類進化にはまだまだ未解明な部分が多く、今後、マンボウ類がその謎を紐解くきっかけとなれば嬉しいですね。






 2011年7月1日作成


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