メディア考察3(ワイルドライフ+魔法使いの夜)

 マンボウはテレビ以外でも何かとメディア(漫画・アニメなど)でもネタにされる生物です。ここではどういうことがメディアでネタにされているのかを紹介し、間違っているところをズバッと指摘します。画像の著作権は各メディアに帰属します、何か問題があればメールをお送り下さい(ここでは引用という形で掲載させて頂いています)。

藤崎(2005) <漫画:ワイルドライフ15巻第131話>
 

作中では以下のような情報が出てきました。

・マンボウは海面でプカプカしている時もあれば、深海600m以下にも潜る
・ヤリマンボウなど名前がエロい 略すとヤリマン
・丈夫な魚
マンボウは自分の体内から特殊な抗生物質を出すからほとんど病気にもならない、別名「海のお医者さん」海外の研究では自分の周囲にいる傷ついた魚達を癒す力を持っているとされている
皮下には厚い軟骨層があるから、ライフル弾すら簡単には通さない

このうち、青色で記した部分は未確認要素、赤色で記した部分には間違いがあります。
☆マンボウの表皮の粘液には抗生物質があるとたまに言われているのですが、そのような学術論文はまだ見たことがありません。よって、実際どうなのかは不明です。
☆マンボウの皮下には厚い層があります。よく軟骨と勘違いされるのですが、実際は軟骨ではなく、コラーゲン層です。

この漫画は動物の医者の物語みたいですが、マンボウの話が出てきて嬉しいですね!!


  TYPE-MOON(2012) <魔法使いの夜(伝奇ビジュアルノベルゲーム:水族館イベントより)>
 

作中では以下のような情報が出てきました。

・フグ目
メスは一度に三億個の卵を海中に放出する
・地上でもっとも多くの卵を産む脊椎動物である →他の魚の餌になるから、生存のために多く産む
・コツコツと水槽の壁に当たる、うまく回転できない、泳ぐのが下手
・マンボウはカタチのいい魚ではない
平べったい魚身の上下にある尾ひれで泳ぐらしいが、他の魚のようなスピードは期待できまい

このうち、赤色で記した部分には間違いがあります。
☆ これまでに本サイトでは何度も触れていますが、マンボウは三億個の卵を産むのではなく、正しくは三億個の卵を持っていたです。加えて、一度に産卵するかどうかは未だ不明です。
☆ 「上下にある尾ひれ」→正しくは背鰭と臀鰭、マンボウには尾鰭がありません。また、近年の研究で、マンボウはサケと同じくらいスピードが出せることがわかっています。狭い水槽の中では本領発揮できないみたいです。

ノベルゲームなだけあって、作中では「座布団のような硬骨魚」、「平たい魚影」、「ふらふらと漂う魚界の金平糖」としてマンボウは表現されていました。金平糖と言えば、個人的には仔稚魚の頃を思い浮かべてしまいます。TYPE-MOONのゲームはだいたいプレイしているので、マンボウが登場してくれたのは個人的には嬉しかったですね!

 2012年6月19日作成 


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