フグ目内におけるマンボウ科の位置

 フグ目は硬骨魚類の中で多様に派生したグループです。フグ目内の系統関係について、これまで様々な研究者が様々な手法を用いて仮説を提唱してきました。現在(2014年3月)までどのような仮説が出され、マンボウ科はその中でどの魚類の仲間と近縁関係にあるのかをみてみましょう。(※以下の系統樹はYamanoue et al.(2008), Santini et al.(2013)を参照に作りました)



 まず、形態(筋肉、稚魚、骨)から見た場合、マンボウ科はフグ科、ハリセンボン科、ハコフグ科と系統関係が近そうに見えます。




 続いて、遺伝子(mtDNA、核DNA)から見た場合、マンボウ科はフグ科、ハリセンボン科を含む幅広い分類群と系統関係がみられ、いまいちよくわかりません。




 結論を言うと、マンボウ科はフグ目の中でどの集団から派生したのかハッキリしたことは現時点ではよくわからないようです。総合的に見ると、マンボウ科はフグ科+ハリセンボン科と近縁関係にあるように思われますが、形態比較の見つめ直しとさらなるDNA解析が求められます。

遺伝子(mtDNA、核DNA)+形態(ほとんど現生)の場合、マンボウ科はフグ科、ハリセンボン科と姉妹群。






 2014年3月15日作成 2015年1月14日更新


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