標本保存の薬品について

 魚類標本は液浸保存がベストです。元々、水の中にいる生き物ですからね。そこで、標本を保存するのにどんなものが扱われているかを比較してみます。


★エタノール ethanol(エチルアルコール ethyl alcohol)・・・DNA解析用に組織片を保存するなら、濃度100%がベスト。エタノールに入れて冷凍保存が最も良い。一応、70%以上の濃度ならDNA解析はできるが、長期保存には向かない(DNAが壊れやすい、揮発しやすいなど)。 ///  標本自体を半永久的に残したいのなら、70%エタノールが最適。しかし、10%ホルマリンより固定力が弱く、収縮しやすく、色が落ちやすい。  海外ではスーパーでも消毒用として売っているので購入可(謎のピンク着色は避けた方がいいかも・・・)。

★プロパノール propanol(イソプロピルアルコール isopropyl alcohol)・・・1-プロパノールと 2-プロパノールがあるが、使うのは2-プロパノールの方。標本は50%濃度で保存する。10%ホルマリンよりは安全だが、やや毒性があるので、保存標本活用時は水に流して抜いたほうがいい(半日くらい?)。 DNA解析ができるかどうかは未確認。

★ホルマリン formalin(ホルムアルデヒド formaldehydeの水溶水)・・・一般的に標本固定に使われる。濃度は10%。毒性は強いので、標本を扱う際は、半日〜一日、水に流してホルマリンを抜く必要がある。 DNA解析には用いられない。しかし、お金をかければ復元はできることがある。

・高価な順 エタノール>プロパノール>ホルマリン
・危険な順 ホルマリン>プロパノール>エタノール
・DNA解析  エタノールがベスト!




 2012年3月8日作成 


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